アヴリルの恋。
「アヴリルの恋」を観ました。
南フランスの田舎。
修道院の見習いの少女が、誓願前に脱走し、自分の双子の兄を探しに行くという青春ストーリー。
映像がきれいです。
個人的には森にひっそりとたたずむ修道院で、中世以来変わってなさそうな風習を厳かに行う最初のシーンが好きです。
全編通してとてもいい青春映画なんですが・・・
どこか腑に落ちない。
なぜアヴリルが修道女でなければいけなかったのか?という疑問が最後まで残りました。
静寂と瞑想を愛する修道女が、やがて外の世界に触れ自己をを解き放つー
この手の王道設定はもう出尽くしているのではないか?
・・・などと、きれいな映像だっただけに、少し残念でもありました。
(ここからネタばれです)
最後は彼女なりの自己実現を果たし、旧態依然の修道院と対立して終わります。
(この修道院長もちょっと訳あり)
個人的に、
修道院=古臭い・束縛・因習・下界との遮断・排他的
という過去の映画作品で幾度となく繰り返された修道院のイメージのままで終わったのが残念。
修道院という特異な空間と、アヴリルの修道女としての謙虚さ・誇りを最後までもっと深く掘り下げれば、もっと独特の作品になったのになあ。
わたしはアヴリルはお堅い修道女として帰ってきてほしかったです。
これでは、英国の閉鎖的な使用人社会のメイドが、外の世界に触れて自己発見をし、(笑)最後はお屋敷に反逆する・・・というありふれた展開とそうかわらない。
だったら、忠実な執事が、外の世界に触れても相変わらず忠実な執事として戻ってくるが、そこで何かを得ているーしかしみなには知らせず、主人だけそのかすかな変化に気づくーでも、それ以上でもそれ以下でもなく終わるーという展開のほうが、個人的には好きなんだけどなあ。
これは鑑賞者の趣味の問題かな。
アヴリルの裸体は美しかったです!(断言)