小豆の時間。
休日の、のんびりだるい午後。
今小豆を煮ております。
今週末にお食い初めがあるので、そこで用意するお赤飯の練習です。
実はお赤飯を今まで作ったことがありませんでした。
小豆自体がそこまで好きというものでもなく、わたしたちの世代は、もはやお赤飯を「ご馳走」だとは思わない時代に生きていたので。
お赤飯よりもっと美味しいものは今の日本にはたくさんあり。
お寿司、お刺身、焼肉、ローストビーフ、北京ダック、エトセトラ、エトセトラ・・・。
わたくしも、もうずっとお赤飯とは無縁で過ごしてきたのですが。
ここにきて。
ここにきてやっぱり「お赤飯」も作れない自分てどうなんだろう・・・
と、ふつふつと感じだしたのであります。
ちなみにおせちも同じ理由で作ったことがないのですが。
なんだか日本人として情けないような、もったいなく生きているようなそんな感じ。
さて、重い腰をあげていざ小豆を煮ていると・・・
なんだかとってもとってもいい匂い。
幼いころ遊んだ古い日本家屋の座敷の匂い。
お雛祭りの甘酒の匂い。
稲刈りのときの、土の匂い。
祖母が茣蓙の上で切り干し大根や梅干しやらを干していたときの、お日様で香ばしく乾いていた藁の匂い。
遠い夏の夕方に食べた小豆バーのようないい匂いが台所に立ち込める中、そんな幼いころにかいだ、日常のなんでもない香りがふつふつとよみがえってきたのでした。
お鍋の中でふつふつと煮ている小豆の呼吸。
ふつふつ。。。ふつ。
ふつふつふつ。。。ふつふつ。
こんなに小さいおまめさんなのに、みんなみんな生きているなあ。
みなさんなにをお話しているのかしら?
日曜の午後の、なんとも贅沢で、静かな時間。
こんなに贅沢な時間を、わたしはずっと放棄してきたんだなあ。。。
お刺身やお寿司では味わえない「手間をかける」時間。
日本食を作るのは、とても難しいので今まで避けていたのですが。
小豆のおかげで「我が家なりの、日本の味を作りたいなあ・・・」などとぽくぽく感じるゆとりが持てました。
小豆さん、ありがとう。
小豆がとっても美味しそうに感じる映画です。
サントラも夏の午後にぴったり。
今の時期のわたしのお気に入りのBGMです。